【二十四節】夏至
暦便覧
陽熱至極し また日の長き至りなるを以て也

夏至は太陽が最も高く昇り、日照時間が最も長くなる日です。
太陽が黄経90度の位置にある時で、日本では通常6月21日頃にあたります。
その瞬間、陽の氣が極まり、その後徐々に陰の氣が増していきます。
夏至 七十二候
初候 乃東枯(なつかれくさ かるる)
次候 菖蒲華(あやめ はなさく)
末候 半夏生(はんげ しょうず)
ならわしと生活
夏至は陰陽のバランスが変わる重要な時期と見なされています。
陽の氣が極まった後、陰の氣が増え始めるため、この時期には内省や身の回りの整理整頓や心の浄化などのデトックスを意識することが良いとされています。
6月30日の夏越大祓に向けて、身の回りの断捨離や整頓をして氣の入れ替えを意識すると良いエネルギーの入れ替えに最適な時期となります。
そのほかにも夏至は多くの意味を持ちます。
特にウィッカや他のネオペイガンの信仰において、夏至は「リーサ(Litha)」として祝われます。
これは太陽神の力が最も強まる日であり、魔法を行うのに最適な日とされています。
炎の儀式や、太陽に敬意を表するインセンスの使用などが一般的です。
食と健康
梅雨の時期は湿氣が多く、いろんな意味での『腐敗』を呼んでしまいやすくなります。
物質だけではなく、精神的にも病んでしまいやすくなるため、自分のエネルギーを整えることや、嫌なことや自身を取り巻く不必要なものを整理するなどの精神の安定を図ることに意識すると良い時期でもあります。
この時期は不眠や夢を見やすくなったり、精神的に病みやすい時期となるため『瀉』が重要です。
とくにメンタル的に病んでいる場合、この時期の養生が重要であると言われています。
嫌なこと、心のモヤモヤの整理、自らを客観的に見つめること、太陽の光を浴びエネルギーの循環を意識する生活も有効です。
夏至に摂りたい食材
この時期は特に循環器の健康に注意が必要です。
食生活では、血液循環を良くする食材とることを意識すると良いとされています。

6月のお菓子と言えば『水無月』

小豆は平性の食材なので、熱を感じやすい人・冷えを感じる人の両方が常食することが出来る食材です。
心を穏やかにしてストレスの改善や心臓にも良い食材であると言われています。
小豆は古来から邪氣を払うとされ、日本の伝統行事でも用いられることの多い食材です。夏至の時期に心身の浄化を図るのに適しています。
トマト
トマトには抗酸化作用があり、紫外線によるダメージから肌を守ります。
また、ビタミンCが豊富で免疫力を高めます。
トマトの赤い色はエネルギーと活力を象徴し、夏至の太陽の力を体内に取り入れるのにふさわしい食材です。

きゅうり
きゅうりは身体を冷やし、夏の暑さによる体温の上昇を防ぎます。
また、水分補給にも適しています。
きゅうりは陰の氣を持つため、陽の氣が最も強くなる夏至の時期に、陰陽のバランスを取るのに役立ちます。

梅干し
梅干しには疲労回復や抗菌作用があり、食欲を増進し、胃腸の調子を整えてくれます。
梅は生命力を象徴し、悪い氣を払う力があるとされています。
夏至の時期に心身の浄化やエネルギーの補充に最適です。
夏至は太陽の力が最も強くなる時期であり、自然のエネルギーを最大限に利用することが重要です。
これらの食材は、心身の浄化やエネルギーの補充に適していて、浄化と再生のプロセスをサポートしてくれます。
陽の氣が極まる夏至の時期に、陰の氣を取り入れることでバランスを保ち、心身ともに健康な状態を維持することを助けてくれる食材です。
夏至のHerbalism
一年のうちで最も日が長く、太陽のエネルギーが最高潮に達する夏至。
この特別な時期には、自然界が私たちに豊かな恵みとエネルギーを与えてくれます。
古代から現代に至るまで多くの文化や伝統でこの日を祝う理由は、その霊的な意味とエネルギーの強さにあります。
夏至は、浄化・再生、そしてエネルギーの循環を促す絶好のタイミングです。
この特別な日には自然の力を活かし、心身をリフレッシュするためにハーブを活用することが大変有効です。
特にタイム・ローズマリー・フランキンセンスは、その強力な浄化作用とスピリチュアルな特性から、夏至の魔法と同調するのに最適なハーブです。
ハーブ名をクリックすると詳細が表示されます。
タイム(Thyme)
学名:Thymus vulgaris
※タイムの成分が子宮を刺激する可能性があるため、妊娠中の方は避けるべきであるとされています。
※肝臓や腎臓に問題がある方は、過剰摂取を避けてください。
※アレルギー反応が出る場合があるため、皮膚に使用する前にパッチテストを行うことをお勧めします。
※タイムの精油は非常に強力なので、使用する際は必ず希釈して使用してください。

タイムは抗菌作用が強く、浄化力が高いハーブで、風邪や感染症の予防、消化促進に効果的です。また、氣分をリフレッシュさせる効果もあるとされています。
また、精神を安定させ、集中力を高める効果があると言われています。
タイムは古代から浄化のハーブとして使用されてきました。
ネガティブなエネルギーを排除するのに適しています。
夏至の時期に陰と陽のバランスを保つために適しています。
主な作用:抗菌作用・去痰作用・殺菌作用など
ローズマリー(Rosemary)
学名:Rosmarinus officinalis
※妊娠中や授乳中の方は古い文献では避けた方が良いとされているものもあります。
※ローズマリーの精油も強力なので、使用時には希釈を忘れずに。
※高血圧の方は大量摂取を避けてください。

ローズマリーは抗酸化作用があり、疲労回復や記憶力向上に効果的なハーブです。
また、血液循環を促進し、エネルギーを高めてくれます。
ローズマリーは守護と浄化のハーブとして知られ、邪氣を払い、ポジティブなエネルギーを引き寄せるとされています。
夏至のエネルギーを活性化させるために最適です。
主な作用:抗酸化作用・消化促進作用・血行促進作用など
フランキンセンス(Frankincense)
学名:Bswellia carterii/Bswellia sacra
別名:乳香
※特に大きな禁忌はありませんが、妊娠中は医師に相談することをお勧めします。

フランキンセンスはリラックス効果があり、心を落ち着かせる効果があります。
また、炎症を鎮め、免疫力を高める作用もあります。
フランキンセンスは霊的浄化と瞑想に適しており、精神を高め、夏至の太陽のエネルギーと調和します。
主な作用:鎮静作用・免疫刺激作用・抗カタル・抗うつ・
去痰作用・瘢痕形成作用・抗菌作用・抗真菌作用・
抗炎症作用など
Recipe

タイムティー
材料
・タイム(乾燥):小さじ1(約1.5g)
・お湯:200ml
・蜂蜜(お好みで):適量
作り方
1.乾燥タイムをティーポットに入れ、お湯を注ぎます。
2.蓋をして5分間蒸らします。
3.茶こしでタイムを取り除き、蜂蜜を加えてお召し上がりください。

ローズマリーオイル
材料
・乾燥ローズマリー:1カップ(約20g)
・オリーブオイル:2カップ(約473㎖/約432g)
作り方
1.乾燥ローズマリーを清潔なガラス瓶に入れます。
2.オリーブオイルを注ぎ、ローズマリーが完全に浸かるようにします。
3.瓶の蓋をしっかり閉め、日光が当たる場所で2週間ほど置きます。
4.2週間後、オイルをこして別の瓶に移し替えます。
注意事項
自家製のローズマリーオイルは、適切に保存すれば約6ヶ月から1年持ちます。
酸化防止:オイルが酸化しないように、使用後はすぐに蓋をしっかり閉めてください。
冷蔵保存:特に長期間保存する場合は、冷蔵庫で保存するとより長持ちします。

ローズマリーオイルを冷蔵庫で保存すると、
特にココナッツオイルを使用した場合、低温で固まることがあります。
これはオイルの特性によるもので、品質には影響しません。
使用する際には、室温に戻してから使うと良いでしょう。
オリーブオイルやホホバオイルを使用した場合、冷蔵庫で保存しても固まりにくいですが、やはり低温で粘度が高くなることがあります。
冷暗所で保存するのが一般的ですが、長期間保存する場合は冷蔵庫での保存し、使用前に室温で戻してから使うというのも選択肢の一つです。
歳時記
リーサ Litha/夏至の日

サクソン人によってケルト世界へ用いられた夏至の祝祭。
年8回あるサバトの一つ。
この日を境に光の半年が終わり、闇の半年のはじまりとされています。
男神の力が絶頂であることを象徴的に表し、あらゆる魔法を行うのに最適な日であると言われています。
浄化の炎を燃え上がらせてエネルギーを復活させます。
夏至のインセンスは、野外で儀式を行う場合、儀式の焚き火で季節や太陽と同調させるためにつかいます。
夏越大祓

六月の最後の日に行われる半年間の罪穢れを祓い、無病息災を願う禊のご神事。
茅の輪くぐり
茅の輪(ちのわ)を三度くぐることで、心身の穢れを祓うとされています。
その時にこの歌を唱えながらくぐります。
水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命 延ぶと云う也
茅の輪くぐりは、霊力のある茅を腰につけておけば病や災いから逃れることが出来ると知らせたスサノオノミコトの伝説が由来。
人形(ひとがた)流し
紙や草で作った人形に自分の穢れを移し、それを川や海に流すことで穢れを祓います。

現代では川や海に流してしまうと大問題なので、
私は、人形のまじないは夏越大祓式でご神職さまにお任せしていますw
個人的に必要な時は燃やしていますが、
人形に切り取ったトイレットペーパーでまじないを施してトイレに流すというツワモノの友人も居てますw
スピリチュアルな観点からとらえる夏越大祓
夏越の大祓はスピリチュアルな観点から見ると、浄化と再生のための非常に重要な行事と捉えることができます。
この行事は半年間の穢れを祓い、新たなエネルギーを取り入れることで、心身のバランスを整えることを目的としています。
夏越の大祓は、まず第一に心身の浄化に重きを置いた行事です。
半年間で蓄積されたネガティブなエネルギーや悪い氣を取り除くことで、新たなエネルギーを迎え入れる準備をします。
また、新たなエネルギーを取り入れるための儀式でもあります。
浄化によって心身を清めることで、新しい始まりを迎える準備が整います。
これは、精神的な再生とリニューアルの象徴とされています。
そして、自然のリズムと調和することを強調しています。
夏至を過ぎて陰の氣が増え始めるこの時期に大祓の儀式を行うことで、自然のサイクルに合わせて心身のバランスを整えることができます。
儀茅の輪くぐりや水に浸かるなどの儀式は物理的な浄化だけでなく、精神的な浄化を促進します。
清めとエネルギーのリフレッシュを行います。
この特別な時期を活かして、自分自身のエネルギーをリセットし、より良い生活を迎える準備をするのも良いかもしれません。
Notes and Prerequisites(注意事項):
健康に関する注意:
記事内の情報は一般的な知識を提供するものであり、医療のアドバイスを代替するものではありません。
持病やアレルギーがある方、妊娠中や授乳中の方は、ハーブや精油を使用する前に医師に相談してください。
ハーブや精油の取り扱い:
ハーブや精油は濃縮された成分を含んでいるため、正しい知識と注意が必要です。
使用する際は必ず適量を守り、皮膚に直接使用する場合は希釈して使用してください。
目や粘膜に触れないよう注意し、万が一目に入った場合はすぐに洗い流し、必要なら医師の診察を受けてください。
小さなお子様やペットの手の届かない場所に保管してください。
自己責任の明示:
記事内のレシピや使用方法は自己責任でお試しください。個々の体質や状況によって効果や反応が異なるため、自己判断のもとで行ってください。
万が一、使用後に異常が現れた場合は直ちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
スピリチュアルな観点の理解:
記載されているスピリチュアルな情報は文化や個々の信念に基づいたものであり、科学的根拠に基づくものではありません。
スピリチュアルな実践や信念は個人差があり、すべての人に同じ効果があるわけではありません。
環境への配慮:
ハーブや精油は自然からの恵みです。使用する際は環境への影響を考慮し、持続可能な方法で採取されたものを選びましょう。
廃棄する際は適切な方法で処理し、環境への負荷を最小限に抑えるよう心がけてください。