【二十四節氣】白露(はくろ)
陰氣ようやく重なりて露こごりて白色となれば也
暦便覧
秋の趣を感じられ、朝晩にはいくらか肌寒さも感じるようになります。
朝夕が過ごしやすくなりますが、夏の疲れが出やすい時でもあります。
太陽黄経165度の時で、秋分の15日前にあたります。
旧暦八月酉の月の正節。
新暦の9月7日頃になります。
白露 七十二候
初候 草露白(くさのつゆしろし)
次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
末候 玄鳥去(つばめさる)
ならわしと生活
秋は「収穫の季節」ともいわれ、大地の恵みに感謝し、自分自身の内面を見つめ直す時期です。
白露は、心と身体の浄化を促すための時期でもあります。
体内に溜まった不要なエネルギーを手放し、新しいエネルギーを受け入れる準備をしましょう。
瞑想や自然散策は、心身のバランスを保つために最適な方法です。
白露の生活
この時期は肺をいたわり、肩こりを始めとする筋肉のコリの改善を心がける時期。
筋肉には、心の記憶が刻まれると言われ、秋のもの悲しさや憂鬱と共に筋肉がこわばりやすいそうです。
全身のコリをチェックしながら、深い呼吸でストレッチを。

重陽のあるこの時期「菊茶」はいかがでしょう?
洗った食用菊1輪とクコの実を5個ほど(数はお好みで♪)
これをカップに入れて約150mlのお湯を注いでいただきます。
甘味が欲しい時はハチミツを追加してもオッケー。
食用菊→眼精疲労やドライアイ、かすみ目などの目の症状に良いと言われています。眼のトラブルに伴う頭痛やめまい、のぼせにも。
體に溜まった熱を冷まして、余分な水分を代謝させるため、吹き出物が出てしまったときや便秘の改善を期待したい時にも良い食材です。
體を冷やす作用があるため、冷えや下痢の症状がある時の摂取は控えた方が良いでしょう。
クコの実→薬膳では枸杞子(クコシ)と呼ばれ、老化を抑える効果や免疫力アップが期待できます。氣や血を補って生命力をアップさせる効果で、滋養強壮や疲労回復・耳鳴り・めまい・視力減退を改善したい時や、肺を潤す作用があるため、慢性的な咳を何とかしたいときにも良いと言われています。

クコの実はマイルドに働くと言われていて、幅広い人におススメな食材ですが、
食べ過ぎに注意。
この時期におススメな食材
山芋→疲労回復・滋養強壮・発育促進・頻尿・寝汗・耳鳴り・老化防止に。
消化を促進するため、慢性の下痢や食欲不振にも。
肺の機能を高め、喉の渇きや咳を鎮める作用も期待できる食材です。
唐辛子→氣分を発散させるため、憂鬱な時に取り入れたい食材。
體を温める作用が非常に強く、胃腸を温め消化を促進するので、食欲不振や胃もたれ・お腹のハリ・吐き氣・下痢の緩和に。
体内の余分な水分の排出を助けてくれるので、むくみやだるさにも良いとされています。

唐辛子は熱がこもりやすい体質の方や、目の疾患や咳がある人は避けた方が良いでしょう。
食べ過ぎると逆に胃の粘膜を傷付けてしまうためほどほどの量で。
その他、秋の憂鬱さやストレス改善には「ねぎ・大根・生姜・わさび・にんにく」など薬味と言われるものを少し取り入れると良いと言われています。

実りの秋・収穫の秋…
春に蒔いたものをしっかりと収穫して、次の一年に供えるため、
実ったものを自分のものとして活用していきたいですね♪

ビビりまくってなかなか自分を出せない。なんてこともあるかもしれませんが、
この時期こそ羽ばたいてみるが吉。
豊穣の秋。人生を豊かなものに♪
歳時記
秋の七草

秋の七草は、春の七草のようにお粥としていたただくのではなく、
深まっていく秋に「萩・すすき・葛・なでしこ・女郎花・藤袴・桔梗」と順に咲くさまを愛でます。


秋の七草と言えば、万葉集で山上憶良が詠んだ歌が有名ですね。
秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数ふれば 七種の花(1537)
万葉集秋の野に咲く花を数えたら7種類あるよ。
という歌。
萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝貌の花
それは萩の花、すすき、葛の花、なでしこの花、女郎花、藤袴、アサガオの花。
師匠所説ありますが、当時は朝に咲く綺麗な花のことを「あさがお」と呼んでいたそうです。
重陽の節句 9月9日
関連記事:【五節句】重陽の節句

別名を「菊の節句」という五節句の一つの重陽の節句。
菊は邪氣を祓う力を持つと言われ、菊の花を浸したお酒(菊酒)や食用菊をいただくことで、菊の力を得て無病息災を祈る行事です。
前日に菊の花に綿を被せておき、その綿で体を拭いて無病息災を願う「被綿(せきわた)」という習わしがあります。
奇数は縁起の良いめでたい数字(陽数)とされていました。
その陽数が重なる日は縁起が良い反面、不吉なこともおこるかもしれないと邪氣祓いをするようになったのが五節句です。
一番大きな陽数である9が重なる日で、9月9日は「重」「陽」と呼ばれます。

五節句は
1月7日の「人日(じんじつ)の節句」
3月3日の「上巳(じょうし)の節句」
5月5日の「端午(たんご)の節句」
7月7日の「七夕(しちせき)の節句」
9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」
です。
十五夜

平安時代頃から親しまれていると言われる行事。「お月見」
「中秋の名月」は旧暦8月15日の望月のこと。
「中秋」とは秋の真ん中のことを言い、旧暦では7月8月9月が秋にあたります。


旧暦の8月は、一年のうちで空氣が澄み渡り最も月が美しく見え、「全てが満ちる」という意味を持っていて、目的や願い事が叶うと言われています。
この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思えば満月と言えばこの藤原道長さんの歌を真っ先に思い出します。
学生時代のこの歌はイケイケだった道長さんのドヤり具合が表された歌(意訳)と教わりましたが、当時から好きな歌でした。
閑話休題。

十五夜でお供えするのは、
ススキ ススキには魔除けの力があり、聖なる稲穂に見立てているという説もあります。
お月見団子 白くて丸いお団子は、月そのものを表しています。月光をあててからいただけば神月の力をいただくことが出来るとされています。
作物 旬のもの、収穫したものをお供えして、豊穣と収穫への感謝とそのお祝いのしるし。
お供えものは、月から見て左側に自然のもの、右側に人が作ったものを飾ります。
これは、左側が上位である。という考えから来ています。
片見月
「片見月」とは、十五夜と十三夜のどちらか一方だけをお月見することを指します。
日本の風習では両方のお月見を楽しむことが縁起が良いとされていますので、片方だけを鑑賞するのは避けられることが多いです。

ここで言われる十三夜は旧暦の9月13日にあたる夜を指します。
この日は「後の月」とも呼ばれ、十五夜に次いで美しい月が見られるとされています。
二十四節気の白露は秋の訪れを感じさせる大切な時期です。
朝晩の冷え込みが増し、夏の疲れが出やすくなるこの時期に、自分自身の体と心をいたわることが求められます。深呼吸とストレッチを取り入れ、肺を大切にすることを意識して過ごしてください。
また、菊茶やクコの実などの養生食を取り入れて、体内のバランスを整えることも大切です。
自然の恵みを活用し、心身の健康を保つための方法を実践することで、豊かな秋を迎える準備が整います。
この白露の時期を通じて、自然との一体感を感じ、心身の調和を取り戻すことで、毎日の生活がさらに充実したものになるでしょう。
皆さんが、白露を迎えるこの季節を豊かに過ごされることを心から願っています。
Notes and Prerequisites(注意事項):
健康に関する注意:
記事内の情報は一般的な知識を提供するものであり、医療のアドバイスを代替するものではありません。
持病やアレルギーがある方、妊娠中や授乳中の方は、ハーブや精油を使用する前に医師に相談してください。
ハーブや精油の取り扱い:
ハーブや精油は濃縮された成分を含んでいるため、正しい知識と注意が必要です。
使用する際は必ず適量を守り、皮膚に直接使用する場合は希釈して使用してください。
目や粘膜に触れないよう注意し、万が一目に入った場合はすぐに洗い流し、必要なら医師の診察を受けてください。
小さなお子様やペットの手の届かない場所に保管してください。
自己責任の明示:
記事内のレシピや使用方法は自己責任でお試しください。個々の体質や状況によって効果や反応が異なるため、自己判断のもとで行ってください。
万が一、使用後に異常が現れた場合は直ちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
スピリチュアルな観点の理解:
記載されているスピリチュアルな情報は文化や個々の信念に基づいたものであり、科学的根拠に基づくものではありません。
スピリチュアルな実践や信念は個人差があり、すべての人に同じ効果があるわけではありません。
環境への配慮:
ハーブや精油は自然からの恵みです。使用する際は環境への影響を考慮し、持続可能な方法で採取されたものを選びましょう。
廃棄する際は適切な方法で処理し、環境への負荷を最小限に抑えるよう心がけてください。