【五節句】人日の節句

五節句
キリヱ
キリヱ

小寒の投稿と被りますが、七草がゆでおなじみの人日(じんじつ)の節句について
もう少し掘り下げてみます。

五節句とは

五節句の「節」は季節の代わり目という意味で、「節目」を表します。

季節の節目に、五穀豊穣・無病息災・子孫繁栄などを祈り、神さまにお供えをしたり邪氣を祓ったりする行事のこと。

節目の時に何かを『供える』ことから『節供』ともいわれます。

古来中国では、正月の1日を鶏、2日を狗(犬)、3日を猪(豚)、4日を羊5日を牛、6日を馬の日として、それぞれの日にはその動物を殺さないようにし、7日目を人の日(人日)として、犯罪者に対する刑罰は行わないことにしたといいます。

人日の節句

また、この日には7種類の野菜を入れたスープを食べる習慣があり、これが日本に伝わって七草がゆとなったとも言われています。

芹なずな 御形はこべら 佛の座
すずなすずしろ これぞ七草 

春の七草の和歌

雪の中から顔をのぞかせる新芽(若菜)はエネルギーに溢れているため、そのエネルギーをいただいて無病息災を願うことから人日の節句には、その若菜の中から7種を選んで供えられたそうです。

この若菜を摘む「若菜摘み」の様子は古くは万葉集の時代に和歌に詠まれるほど、身近な行事でした。

アネ
アネ

春の七草を詠うこの和歌の作者は四辻左大臣が詠んだと言われていますが、実のところ詳しく分かっていないんですって。

キリヱ
キリヱ

詠み人知らずって浪漫だよね♪

この若菜を人日の節句に7種選んで宮中に祀るという風習ができたのは、
第60代天皇の醍醐天皇(897年~930年)の御代で平安時代。

師匠
師匠

その頃は7種ではなく12種類だったりと数は厳密には決められてなかったとか。

キリヱ
キリヱ

じゃあ、なんで七種類になったん?

こういった類の話は「所説あり」やねんけど…

・正月というのは、「区切」の月

・七という数字は「区切」の数字

・1月7日に「七」種類の若菜を供えていただくことで、溢れる生命エネルギーを取り入れることで氣力溢れ無病息災で居られる。

・人間には三魂七魄があると言われていて、この三魂七魄は天では一週間の七曜としてあらわれて地では七草として現れると言われていました。

キリヱ
キリヱ

三魂七魄(さんこんしちはく)とは

天魂・地魂・人魂の三つの魂と、

喜び・怒り・哀しみ・恐れ・愛・悪・欲望の七つの感情である七魄のこと。

春の七草

せり・なずな・すずな・すずしろ・ほとけのざ・ごぎょう・はこべら

キリヱ
キリヱ

小寒の記事でご紹介したものとは違うバージョン。
どちらも素敵♪

七草について、詳しくは小寒の記事をご覧ください。
ここではサラッと。

セリ
「競り勝つ」という音から。
香りの良い水辺の山菜で、高血圧や整腸作用・老化防止に良いと言われている食材。

なずな
ぺんぺん草でおなじみ。江戸時代にはポピュラーな食材だったとか。
「邪氣を撫で祓う」 と言われていて便秘・利尿作用・生活習慣病予防に

ごぎょう
母子草(ははこぐさ)とも呼ばれる元祖草餅の材料。
「仏の姿」と言われている喉の炎症・利尿作用があってむくみの時に良い食材。

はこべら
目に良いとされていて腹痛の薬にもなった食材。
「繁栄を運ぶ」縁起物。
利尿作用・鎮痛作用・歯槽膿漏の予防に良いと言われている。

ホトケノザ
たんぽぽに似てる田平子(たびらこ)のこと。
「仏の座るところ」という意味で整腸作用・高血圧・健胃効果に良いと言われている食材。

すずな
蕪(かぶ)のこと。ビタミンが豊富。
「神を呼ぶ鈴」から。
健胃効果・風邪の予防・食欲増進に良い食材。

すずしろ
大根のこと。
「穢れのない純白さ」を表す。
二日酔い・食欲増進・冷え性・美肌効果によい食材。

◇関連記事◇

その他1月7日に行われる行事

朝廷の年中行事として「白馬の節会(あおうまのせちえ)」という
正月7日(旧暦の1月7日)に白馬を紫宸殿の前庭で天覧のあと宴を開くという「年始に白馬を観ると邪氣が祓われる」という故事に則った儀式がありました。
江戸時代になり『人日の節句』を採用するようになり節句行事(年中行事)ではなくなったのですが、
「この日に白馬をみると縁起が良い」と言われています。

京都の上賀茂神社では白馬の節会が神事化された白馬総覧神事を見学することが出来ます。


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