【二十四節氣】穀雨

Ritual-儀式

穀雨


春雨降りて百穀を生化(しょうか)すれば也
あらゆる穀物(百穀)を潤す雨が降る頃

暦便覧

太陽黄経30度、旧暦三月辰の月の中氣。
新暦4月20日頃。

春の雨が穀類を潤し、農作物が成長していきます。
春の季節の最後の節氣で、春の土用の期間でもあります。

暦便覧の通り、この時期の雨は百穀を潤す雨。
穀物だけではなく、わたしたちが蒔いた行動の種も雨となります。

七十二候

初候 葭始生(あしはじめてしょうず)
次候 霜止出苗(しもやんでなえいずる)
末候 牡丹華(ぼたんはなさく)

ならわしと生活

ヴァルプルギスの夜/ベルテーン

年に8度あるウィッカの祝祭(サバト)の一つで、4月の最終日が「ヴァルプルギスの夜」翌日が「ベルテーン」

女神と男神の結びつき、夏の訪れが近いことを示す太陽の力と植物の生命の輝きを祝う祝祭です。
ヴァルプルギスの夜にはかがり火を焚きます。
これは、古代の北欧住んでいた人々の風習では、北欧神話の智慧の神であるオーディン神が更なる知恵を求めて自らを贄にした神話を記念するもので、その夜は死者と静者の境が弱くなる時間とされていました
かがり火は死者の周りを彷徨う死者や魂を追い払うために焚かれ、翌日の光と太陽が戻る祝祭ベルテーンに繋がっていく。と言われています。

また、ベルテーンには、縦糸と横糸の交わりを女神と男神に見立て、
機織りや編み物をする習わしもあります。
この布を新たに生み出すという作業はベルテーンの精神を表すものです。

ウィッカ(魔女宗徒)でなくても、新緑が氣持ち良い時期ですので、
緑の中を歩くだけで自然のエネルギーを分けてもらうことが出来ます。
無理のない範囲で自然と戯れるのもよいかもしれません。

キリヱ
キリヱ

FAUNというバンドの「Walpurgisnacht」という楽曲はタイトルの通り
ヴァルプルギスの夜の歌です。

ルーン文字についてはこちら。

八十八夜

キリヱ
キリヱ

夏も近づく八十八夜♪で有名なあの八十八夜です。

立春から数えて八十八日目の夜。
だいたい新暦の5月2日頃。

この時期に摘まれたお茶は、冬の間の栄養と春の伸びゆく木の氣を蓄えた一番栄養が豊富で旨みもある良質なものと言われています。
この頃は霜が降りることが少なくなり、田んぼにモミを撒く時期です。
生命を育む大切な時期にとれる縁起の良いお茶としてこの日に摘んだお茶をいただくと長寿になると言われています。

八・十・八を組み合わせると「米」という文字になるため、この日を縁起のよい農事の吉日として農作業の目安ともされていました。

土用

穀雨の期間は春の土用の期間と重なります。
土用の期間は、土の神さま(土公神)が司るとされる時期で、間日以外の日は土を動かす作業は禁忌とされています。

土用は「中央」を表す時期で、人のカラダでいうと「お腹(胃腸)」にあたります。
胃腸を壊したり、疲れやすく倦怠感が出たり、思い悩みやすくなる時期になります。
ため込んでしまうことが特に良くないとされる時期なので自分なりの発散をすることが大切であると言われています。

体内に余分な水が溜まったり、水が滞ることを「水毒」と言います。
水毒が溜まることで、むくみやだるさなどの身体的症状が現れたり、精神的にはイライラや不安などが現れやすくなります。
エネルギー的にも水毒が溜まるということは、エネルギーが澱んでしまい最悪腐敗を招くと言われています。
この対策は、身体を温めたり温性の食べ物をいただく。代謝を上げることを心がけると言ったものがあります。
また、揃える程度で大丈夫なので少し髪を切ってみたり、ストレッチや散歩など身体を動かして氣を巡らせるのもお勧めです。

◇メリッサティー◇
この時期におススメなハーブティはレモンバームとも呼ばれるメリッサのお茶。
メリッサは古くは錬金術における『生命のエリキシル(エリクサー)」とも呼ばれるほど長寿のハーブとして重宝されてきたハーブです。

鎮静や抗鬱作用があり、感情のバランスが乱れている時に氣持ちを落ち着かせてくれたり、消化促進作用でストレスによる消化不良や嘔氣に有効であると言われています。
また抗アレルギー作用、抗炎症作用の成分も含まれているため、アトピー性皮膚炎や湿疹にも有効であるとされています。

■recipe■
約5㎝の枝3本に200mlの熱湯を注ぎ1分蓋をして待ちます。
濃いめに淹れて、ハチミツとレモンを加えて淹れるのもお勧めです。