元日は歳神さまをお迎えする
お正月の行事やならわしは、その年の新しい歳神さまをお迎えして、新しい歳の実りと幸せを祈るご神事が基となっています。
元日にいただくおせち料理は「節句料理」に由来し、もともとは元日と五節句に食されていたもので、歳神さまにお供えしたおさがりをいただくことでその力を授かるものです。
松の内
歳神さまが滞在されている期間を「松の内」と言い、新年のご挨拶まわりである「お年始」は元日を避けて松の内の間に済ませます。
この歳神さまが滞在される「松の内」はいつまでを指すのかが地域によって異なりますが、
1月7日もしくは1月15日とするところが多いようです。
この松の内の期間は、正月三が日が過ぎても歳神さまは滞在されているため、いつも以上に場も身も心も清浄で過ごすことが大切であると言われています。
歳神さまの滞在する松の内が明けると日常に戻ります。
松の内が明けてから門松や鏡餅などのお正月飾りを下げます。
お正月飾りを下げたあと、どのようにするのかは地域家庭によって異なりますが、しめ縄などはとんどなどでお焚き上げするところもあります。
若水取り
元日、その年始めて汲む水を「若水」といいます。
1年の邪氣を祓うとされ、歳神さまにお供えした後、口をすすいだり、お茶をたてたりします。
かつては神棚にお供えした若水で墨をすり、縁起の良い詩歌を書く習慣もありました。
この若水は若々しい命と心の象徴とされます。
初夢
一般的に元日から2日にかけて見る夢を指します。
年があけて最初に見る夢を初夢と解釈する説もあります。
宝船に乗った七福神の絵を枕の下に入れて寝ると良い夢がみられると言われています。
初夢で「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」の夢を見ると縁起が良いとされています。
書初め
書初めは一般的に1月2日に行います。
「文字がきれいに書けるようになる」
「一年の抱負を定める」といった意味を持つお正月の習わしです。
書初めで記したものは部屋の見える場所に飾り、その後「とんど」で燃やします。
(地域によって異なります)
この日に書初めをする由来は
かつて書道や茶道などのお稽古ごとでは「1月2日から習い始めると上達する」とされ、この日を初稽古とする習い事が多かったこと、
また、農家では山や畑の神様を祀り一年の支度を始め、商家ではこの日初荷を出していたため、仕事はじめと同日が縁起が良いという事から書初めをするようになった。
など諸説あります。
お正月に避けた方がよいこと。
お正月は新しい年を迎える大切な時間であり、家族や友人と過ごす特別な期間です。
日本ではお正月に様々な伝統や風習があり、その中には避けた方が良いとされる行動もいくつかあります。
これらの行動を避けることで、新しい年をより良い形でスタートさせることができます。
以下に、お正月に避けた方が良いアクションをいくつかご紹介します:
- お掃除・入浴
お掃除は歳神さまを追い払う行為であると言われています。
また、入浴は歳神さまの良い氣を水で流してしまうため、元日の入浴は避けた方が良いと言われています。 - 刃物を使うこと
「三が日に刃物を使わなければその一年を無事に過ごせる」という言い伝えや、「切る」という行為がせっかくのご縁を「切る」につながることから刃物を使うことは避けた方が良いと言われます。 - 四つ足のお肉をいただく。
理由には所説あるそうですが、仏教の殺生をしない。という教えから来たと言われています。 - 喧嘩をすること
争いごとのネガティブなエネルギーに触れないようにという縁起担ぎ - 散財すること
「年始にお金を使いすぎるとお金の貯まらない年になる」という言い伝えから、必要なお金を使うのはもちろん構わないのですが、必要以上使ってしまうことはあまりよろしくないとされます。
どのような氣持ちで使い、その後を過ごすのか。が大切だと教わりました。 - ついで参り
初詣や買い物の「ついで」にお墓参りをすることは、ご先祖様に対して失礼にあたるということからついで参りはしないとされるならわしです。
お正月は新しい年を迎え、新たな始まりを祝う特別な時間です。
伝統的な習慣やならわしに触れることで、家族や友人との絆を深め、心豊かに新年をスタートさせることができます。
また、自分自身のルーツについてしっかりと自身に根差すとても良い機会となります。
皆さまの新しい一年が幸せと健康に満ち溢れたものになりますように。
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