【雑節】節分

朔望月手帖

元々、四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前の日を指していた節分。
現代では、立春の前日を指す日として残っています。

キリヱ
キリヱ

これは季節の変わり目の中でも、一年のはじまりの「春」の前日で特に重要視されていたから。
という説があります。

節分と言えば豆まき。
これは『追儺式』という大晦日に行われる祓いの宮中行事からきたものです。

季節と季節の隙間は、邪氣が入り込みやすいと言われているため、
豆まきをしたり、柊鰯など退魔のものを門口に飾って邪氣や災いを祓います。

豆まき

豆まきの豆は前日の夜から升に入れてお供えしておきます。

升に入れるというのも実は意味があります。

升と言うのは大宝律令(701年に制定された日本で最初の法律)に『一升が十合、十升が一斗、十斗が一解(石)と統一的な規格が定められていたくらい昔から生活の身近な所で使われてきた道具です。
豊臣秀吉の時代の太閤検地で十合一升の京枡が使われ、その後の江戸幕府になってからもこの京枡を使って規格が管理され年貢の決定などにも使われていたとか。
この計量と分配の役割を担う『升』
公明正大な神のチカラを代行するものとして、捉えられていました。
また、升は豊穣や腹に関する神を祀る時も使われます。
これは穀物に宿る穀霊を増やす願いが込められています。

師匠
師匠

「ますます」繁盛しますように。という意味。

キリヱ
キリヱ

日本人、言葉遊び好きだねぇ。

なので、豆まきの時に升を使われるのは、神聖な力を持つ豆に退魔の霊力を宿らせるため。
だと言われています。

「鬼は外、福は内」と唱えますが、元々はその家の家長や年男が居る場合は年男が唱えていたんですって。
豆を蒔き終わった後は、招いた福が逃げてしまわないよう&追い払った鬼が帰ってきてしまわないようきちんと扉や窓を閉めます。

そもそも何故豆をまくのか。
豆は『魔』を『滅す』ものだと言われています。

きりえ
きりえ

その他には『マメ』に働く。や栄養価の高い五穀の一つで、健康な生活を祈るという意味もあります。

豆まきの時、炒ったお豆を使うのは、蒔いた後に魔を祓った豆が芽を出すと縁起が悪いからだそうです。

豆まきの後は、年齢の数(かぞえ)だけの豆をいただきます。
もし、たくさんで食べきれない時は塩昆布と梅干し共にお茶として福茶としていただいてもOK。

キリヱ
キリヱ

福茶も苦手過ぎた私は、師匠にすりこぎで潰してもらったものをきな粉としてお餅に付けていただくという裏技を発動していました。

柊と鰯

焼いた鰯の頭を柊に刺したものを家の門口に飾るのは邪氣が家の中に入ってこないようにするためで、この習わしは古く平安時代から続く風習です。

キリヱ
キリヱ

鰯を焼いた時の煙と臭いで鬼を追い払う&柊は鬼の目を指す。
という意味があるんですって。

この柊鰯を飾った後は、半紙に包んで塩で清めます。
お焚きあげしていただいたり、たき火で燃やすというのがベストですが、
色々と面倒なある時代なので、半紙に包んで塩で清めた後は自治体のルールに沿って処分するので大丈夫です。

柊鰯の他、豆ガラを飾ったり、トベラを飾る地方もあるとか。

キリヱ
キリヱ

豆ガラはバチバチと音を立てて燃えるので、その音と火の力で鬼を祓う厄除けです。

師匠
師匠

トベラは「扉」がなまったものと言われています。扉は境界。
境界に異臭を放つトベラを飾ることで魔除けとしています。
(トベラの香りはどんなのかはしらんけど)

キリヱ
キリヱ

知らんのかいw

この他、鰯の鬼除けパワーにあやかるため、節分の日は鰯のメニューをいただくのも良いとか。

恵方巻

恵方巻を食べる鬼たちが可愛くて…

元々は関西の風習でしたが、スーパーマーケットが普及して売り出すと爆発的ヒットとなった(らしい)恵方巻。
これは福や商売繁盛の願いが込められています。
その年の恵方を向いて、食べきるまでしゃべってはいけないとされています。

キリヱ
キリヱ

なので、誰かが食べ始めると笑わせにかかるw

アネ
アネ

もう30年同じことをし続けるのは誰だろう・・・

キリヱ
キリヱ

そうやってきゃっきゃしながらごはんをいただくのも魔除けになるし、幸せだったりするし♪

おまけ。♪鬼のパンツは良いパンツ♪

キリヱ
キリヱ

鬼のパンツがトラ柄なワケ。

鬼が出入りする方角を『鬼門』と言い、北東ですが、
これを干支で表すと「艮」(丑寅)の方角。
なので、鬼には
「ウシ」の角と「トラ」の牙。そしておまけにパンツの柄も「トラ」柄なんですって。

キリヱ
キリヱ

じゃあ、牛柄なパンツの鬼が居ても(・∀・)イイネ!!

アネ
アネ

それじゃあんまり怖くないでしょ。